たこ焼きライス

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本当に疫病神だったのか?ベネッセ原田社長退任へ

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子供チャレンジなどの教育関連ビジネス大手のベネッセホールディングス原田泳幸社長兼会長が退任すると発表しました。

マクドナルドからベネッセに移った理由

原田社長はもともと「プロ経営者」です。だから、特別に会社を創業して引退するまで頑張るという経営者ではないのです。

経営実績を買われてスカウトされ、報酬条件などが合えば会社を移るのは普通のことなのです。その為、原田社長はアップルコンピューターや日本マクドナルドを経営した事績を買われてベネッセに移ったのです。

原田社長の経営は典型的なプロ経営者の経営

プロ経営者の経営の仕方は簡単に言えば「合理的かつ短期的利益の追求」です。創業社長みたいに企業理念を重視して社会貢献のために事業を行うことはありません。

これは原田社長が悪い人やドライなわけではなく、プロ経営者である以上、すぐに結果を求められるためです。

そのため、経営手法がリストラが中心となります。事業を再構築して収益を生み出すのです。時間をかけている暇はありません。どんどん不要なものは排除して、効率良く利益が出るものにシフトして行くのです。

そんな原田社長を「破壊屋」と呼ぶ人がいるのは仕方ないことなのです。日本マクドナルドで行った構造改革では「彼は破壊屋であって再生屋ではない。一時的に利益をもたらしたが、現場は荒廃した。見せかけの利益を出すためにメニューだけでなく店舗が劣化してしまった」と批判されました。

しかし、一時的な利益や見せかけの利益を短期間でも出し続けたことは事実です。プロ経営者としては十分な合格点だったと思います。

なぜ、原田社長は疫病神と言われるのか?

プロ経営者である原田社長は短期間で収益を改善することができますが、長期的に会社を成長させていくことはできません。

できないというよりも求められておりません。日本マクドナルドでも原田社長が就任する前は7年連続の赤字でしたから、すぐに黒字にしないと会社の存続が危なかったと思われます。

そして、原田社長になってからは8年連続で既存店売上高プラスという実績を残しています。プロ経営者としてはどこから見ても合格点です。既存店の売上高がプラスであれば融資が受けやすいので資金繰りがスムーズにできます。

ただ、黒字化した手法はプロ経営者そのもので、赤字店舗の閉鎖や直営店をフランチャイズに転換して短期的利益を追求したものですから継続的にプラス成長をしていくのは難しいとわかっていたはずです。

そして、実際にプロ経営が終わりを迎えると日本マクドナルドは予定されていた下り坂を一気に下っていきました。

しかし、プロ経営者である原田社長は、一緒に下る必要はありません。プロ経営者ですから、また自分を必要としてくれる会社へ移ればいいのです。そこで次に移ったのがベネッセコーポレーションです。

ここで不幸だったのは、ベネッセに移って「本当の経営を教えてやる」と豪語した矢先に個人情報漏洩事件が発生してしまったことです。この事件でベネッセも一気に下り坂を転げ落ちていきましたので、世間からみれば、日本マクドナルドもベネッセも原田社長が疫病神で転げ落ちていった印象を与えました。

ベネッセに関しては、原田社長は就任しただけでプロの経営をしていない段階でしたのでかわいそうでした。

創業社長の長期経営とプロ経営者の短期経営どちらが良いのか?

人々のお役に立ちたい!社会に貢献したい!という思いから事業を開始した創業社長は目先の利益にとらわれずに長期的な視野から経営を行います。

短期的にはマイナスになることでも長期的にプラスになると考えれば、率先して行うでしょう。

しかし、プロ経営者はそれはできません。長期間プロ経営者として雇われているかわからないからです。すぐに結果を出して、出し続けなければ解雇されてしまいます。特に株式上場をしている大企業の場合は赤字や前年対比で下回るだけで叩かれます。

そのため、創業社長が頑張って会社を大きくして、株式を上場して大企業の仲間入りを果たしたら売上や利益、成長を維持するためにプロ経営者を雇うことが多いです。

本当はバランス良く、長期的な利益と短期的な利益を追求するのがベストです。しかし、世の中なかなか生易しいものではありません。だから、プロ経営者が求められる時もあるのです。

個人的な好き嫌いは別として原田社長が疫病神だとは私は思いません。プロ経営者として頑張って実績を残してきたことを評価するべきだと思っています。ただ、ベネッセは不幸でした。少し天狗になって世間に嫌われるようなことを発言してしまったのは失敗だったと思います。